5.31.2001

No.0098

「【おやつ】ちょうだい!」

 ‘真っ赤なイチゴがのっているショートケーキ’‘コーンの中に沢山入ったソフトクリーム’‘バナナとチョコがたっぷりのクレープ’こうした甘いお菓子が、虫歯の原因になることについて、既にどなたでもご存知なことですよね。特に小さなお子さんをお持ちのお母さん方は、関心事の一つだと思います。
 そこで、実は【おやつ】の内容や与え方や食べ方を、少し工夫することで、虫歯の予防ができることをちょっとお話ししようと思います。お子さんの虫歯予防は、体全体の健康管理や発育促進に大いに関わる問題ですからね。

 私たち歯科医は「小さな子供達に【おやつ】をあげるのは、やめなさい。」と決して言っているのではありません。【おやつ】のあげ方を注意してみましょう。
 【おやつ】の時間は決められた時間を守らせましょう。子供が勝手に冷蔵庫からお菓子や清涼飲料水などを持ち出せないようにしておく週間が大切です。
 【おやつ】の一度の量をコントロールしましょう。ポテトチップスの袋ごと食べてしまわせることなどはだめですね。
 【おやつ】の種類を調整しましょう。口の中に長く留まるようなアメ玉や(砂糖の入っている)ガム等は、【おやつ】の時間観念が明確になりませんし、虫歯に良くありません。 【おやつ】の取り方を工夫しましょう。必ず、お茶などの砂糖の入っていない飲み物と一緒にとるように心がけましょう。
 果物は、体によいのだからと安心してはいけません。果物もその甘みによって、虫歯になってしまう恐れがあります。天然果汁を哺乳瓶に入れてダラダラと飲ませたり、果物だからといって食べてそのまま寝たりすると、眠ると唾液の分泌は少なくなる訳ですから、口の中に残った糖分が虫歯菌を増やしてしまいます。

 因みに、ほ乳瓶の使用する目安はほぼ1歳までです。私自身のことで恐縮ですが、子供の頃、哺乳瓶でカルピスを飲むのが大好きだったので、弟が小さいころも調子に乗って一緒に飲んでいた覚えがあります。おかげで、虫歯の治療で歯科医院通いの思い出が今となっては教訓となっています。

 歯磨きは大切です。【おやつ】を食べた後も必ず歯磨きをさせましょう。3歳ぐらいからは自分でやる習慣をつけたいものです。周囲の人達が磨いていれば、子供も自然にやれるし、最初は、磨いてみせ真似させます。そして、上手にできたら誉めてあげ楽しくやることが大切です。

 可愛いわが子には、つい甘い物を与えてしまいがちですが、正しい情報を得て、正しいお口の習慣を身につけさせましょう。



大橋先生

 

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