5.17.2001

No.0096

痛いですね〜!『口内炎』

 皆さんも経験があると思いますが、『口内炎』痛いですよね。今回は、この『口内炎』についてお話ししてみようと思います。

 一般に『口内炎』と称されるもので、代表的なものは「アフタ」と呼ばれる、周りが赤くて中が白くて丸い潰瘍(粘膜の表層がなくなる状態)が一つ、あるいは、数個出来るものです。唇の内側や頬、時には舌などに、直径2ミリ程度から大きいものは、10ミリ程度にもなります。
 「アフタ」は、小さくてもかなり痛みのあるものです。特に醤油や柑橘系の果汁にしみてしまいます。また、食物や歯が触れ足り、口を開けたり、笑ったりするだけでも痛くて苦痛なものです。

 その発生原因は、お口の中の細菌が関係していると言われています。お口の中には、約200種類以上のもの(口腔内常在細菌といわれる)細菌が、常にいると言われています。しかし、平常のお口の中には唾液があり、その殺菌作用などで異常に細菌が増殖しないよう、バランスがとられるようになっています。又、細菌同士の拮抗バランスというものがあり、ある種類だけが増えすぎたり、減りすぎたりする事がないように調和が保たれています。
 その様な、バランスや調和が崩れたときに『口内炎』はできてしまいます。その要因は、体力が弱まって免疫力が落ちたときや、妊娠などで、ホルモンバランスが変わったときなどがあります。更に、入れ歯の不具合があったり、口の中を咬んでしまったりしたときにも『口内炎』は出来やすいです。

 放っておいても数日から2週間程度で自然に治癒しますが治るまでが結構痛くて辛いものですね。一日でも早く治したいもの、薬を使うと比較的早く治ります。

 口の中には唾液がありますので。薬を塗ってもすぐに流れてしまいまい、効果が出にくいので、流れにくい軟膏を使います。でも、患部を乾燥させてから塗布してください。乾燥させないと患部につきません。就寝前に薬を使用すると効果が大きいです。昼間は、どうしても唾液の量も多いですし、口も動かしますので薬がはがれ落ちやすいです。

 広範囲に侵されているものや、熱の出る場合は、抗生物質を用いる場合もあります。あまりしつこく治らない場合には、白血病など全身的な疾患も疑われますので検査が必要になります。『口内炎』は、厳密には、【口腔外科】という診療科目ですが、たくさんある診療科目ではないので、先ずは普通に、お近くの歯科医院にかかるのが良いでしょう。

 『口内炎』になったら、放っておかず一日でも早く楽になるために、気軽に歯科医院の門を叩いてみてください。



寺田先生

 

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