5.3.2001

No.0094

子供の良くない癖(くせ)について

 癖(くせ)の中にも良い癖、悪い癖があります。良い癖は何も治す必要はありませんが、悪い癖というのはなるべく早く取り除いておいたほうが良いですよね。今回は、その中でも子供の歯並びに影響を悪くしてしまったり、虫歯の原因になるような「悪い癖」を取り上げてみましょう。

1.)指しゃぶり(吸指癖=きゅうしへき)
親指や人差し指、中指をチューチュー吸ってしまう子供の癖の中でも一番多い癖です。 歯に対する影響としては、上の前歯と下の前歯に隙間ができてしまったり、 出っ歯の原因になってしまいます。

2.)爪かみ
6歳頃に急増し、爪や指先の皮膚かむ癖です。歯に対する影響としては、前歯の磨耗や出っ歯、前歯の先端だけがぶつかる様な歯並びの原因になります。

3.)弄唇癖(ろうしんへき)
唇をもてあそぶ癖のことです。(上唇や下唇を吸うような癖)。
これも唇をかんだり、吸引したりしますから、出っ歯になりやすくなります。

4.)口呼吸(こうこきゅう)
本来、鼻で行うべく呼吸を口で行うため、口の中が乾燥し、前歯が白くにごった色になったり虫歯や歯肉炎になりやすくなります。
また、口を開けたままの状態が長いので、唇の周りの筋肉(口輪筋)が働かないため、出っ歯の原因になります。

 以上の4つが最も多く現れる悪い癖といえるでしょう。

 さて、もしこれらの癖が子供に現れてしまったら、どうすればよいでしょうか。
 まず1.〜3.の癖については、決して子供を叱ることなく、なぜやってはいけないのか、やっているとどの様な悪い影響がおきてしまうのかを、子供の年齢に関係なく、繰り返し説明してあげてください。これは親と子供の根気の勝負になります。幼稚園や保育園に通うお子さんの場合、先生に協力してもらうのも良いでしょう。これでもだめなら歯科医院に行き、歯科医師から直接なぜやってはいけないのか、説明してもらうと良いでしょう。子供なりに専門家の言う事は聞いておいたほうが良いと思うのか、意外と効果があることがあります。
 4の口呼吸ですが、アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎などを持っている子供に多く見られますが、これを言い訳に口での呼吸を行わせてはいけません。あくまで呼吸は鼻で行うものですから、鼻で呼吸を行う努力をさせてください。

 近年、日本人は欧米の食文化の影響により食事のかむ回数が減少し、それに伴い、顎の発達も悪くなり、歯列不正の子供が増えているといわれています。子供の歯並びを悪くしないよう、よく噛み、悪い癖をつけないようホームケアを心がけましょう。



香西先生

 

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