4.26.2001

No.0093

スポーツする時

 先日、空手をやってて奥歯が欠けて来院した患者さんが,「本当は【マウスピース】(ボクシングの選手が試合中に口の中に入れているもの)をして空手やったほうがいいんでしょう?でもスポーツ用品店で売っているのは買う気がしなかった。」と、言うのです。本人は【マウスピース】の必要性を知っていましたが、実際は【マウスピース】無しで空手やってて歯が欠けてしまったわけです。
 そこで、今回のコラムに「何故、スポーツする時【マウスピース】をしたほうが良いのか」をテーマにしてみました。

 【マウスピース】の目的

  1. 顔の前、横から直接受ける力に対して、歯や歯周組織,口唇,舌,頬などが損傷するのを防止保護する。
  2. 外力により下顎と上顎とをぶつかり合わせる力が、歯や歯周組織,歯の修復人工物等を破壊させることを保護します。顎の関節の損傷の保護もします。  
  3. 脳震盪や、脳へのダメージのを減らし、頚部の損傷を減少させます。  
  4. スポーツする時の「くいしばり」に対して歯,歯周組織を守ります。

    等です。

 【マウスピース】は、歯列を通して、かかる力をその材料が吸収し、クッションの働きをしてくれますが、忘れてはならないのは、マウスピース材の衝撃吸収能力を超えるような大きな力を受けた時は、そのダメージを全て防止してくれるわけでは無いと言う事です。
 更に、注意したいことは、その人に安定した噛み合わせを与えた【マウスピース】でないと、逆に顎の位置がずれてしまったりする事もあります。
 スポーツ店で売ってるのは、安価ですが、その人の噛み合わせの合わせたものではありませんので、やはり歯科医院で噛み合わせをちゃんとしたのを作成してもらう事をお勧めします。

 また、適切な噛み合わせが保たれた【マウスピース】は、頚部を安定させる事で、全身運動機能向上に、良い影響をあたえることも期待できるのですが、このことは、またの機会にコラムにしてみたいと思います。
 そして、空手をやってるその患者さんには、修復治療が終わったら【マウスピース】、を作ってあげることにしました。今、何色の【マウスピース】にしてあげうようか思案中です。



深井先生

 

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