4.19.2001

No.0092

コンビニ化する歯科医院?

 読者の皆様は、一度はコンビニで買い物をされたことがありますよね。私も、夜中にお腹が空いてコンビニのお世話になったことがあります。コンビニは、今や何処にでもあって、食料品から生活雑貨なでほぼ何でも置いてあり、24時間開いて当たり前の状態になっています。
 驚かされることに、その車の通る道には必ず見かけるコンビニの数より、更に上回る数の歯科医院が日本全国にあるのです。その実体を知らされた私は、「今や我々の職業もサービスの時代にきているんだなー。」と実感しております。

 先日の夕方のTV二ュ−スで、患者さんの【ニーズに合わせる歯科医院】が増えてきたことを特集しておりました。往診専用のワゴン車を使い、患者さんの家の前まで行き、その車の中で診療を行う訪問診療や、『365日24時間の診療』をしている福岡の歯科医院などを紹介してました。

  【ニーズに合わせる】ことは一般企業と同様に歯科医院も色々な経営戦略を考えるのは当然と言えるでしょう。
  コンビニに来るのは【お客様】で、歯科医院に来院されるのは【患者さん】ですが、我々、歯科医は患者さんを【患者様】と考え直し、【お客様】として常にニーズに合うような歯科医院作り、スタッフの指導、治療内容を検討していくべきなのでしょう。

 医師は内科、外科、皮膚科等と専門分野がありますが、歯科医は一般開業医だと保存、外科、補綴(入れ歯を作る科)と所謂、【何でも屋さん】なのです。
  【何でも屋】であるスーパーやコンビニが今や我々の生活の一部に浸透して安い価格で商品を手に入れる店を消費者は探します。

 読者の皆さんは、治療費の安い歯科医院を探しますか?それとも多少、高くても通院可能な歯科医院を受診されますか?治療費の安い、高いは治療時間、歯に詰め物、被せもの、入れ歯等で比較されますが、【治療時間】は各歯科医院の診療体制、先生の熟練年数、患者さんの予約状況といろいろな因子があります。短時間で高い治療費用を支払ったのでは納得はしませんが、そのときの歯科医の説明と患者さんとの【信頼関係】があれば納得のいく治療ができるのではないかと思います。コンビニでもお弁当が美味しくなったのは、日々の努力とお客さまが何を望んでいるかを研究し、実践していくことが、経営努力のたまものなのだと伺い知っております。

 我々歯科医も、患者さんに喜んでいただき、「あの歯医者にかかったおかげで、物が噛めるようになった。」とか「治療がけっこう痛くない。」などなど・・・と満足いただける歯科治療を目指すのは、もはや当たり前なのです。これからは時代のニーズに合わせられる歯科医院が生き残っていくのだと実感させられています。

 私担当の前回のコラムで【かかりつけ歯科医】を持って下さいと提言しましたが、信頼のおける【ホームドクター】を患者さんご自身が見極めて下さることを希望してやみません。



山本先生

 

BACK