3.22.2001

No.0088

介護が必要となったときの口腔ケアー2

 前回は、介護が必要となったときの口腔清掃についてでしたが、今回は、機能障害がある場合の対応の仕方についてお話をしてみます。(機能的ケアー)

 脳卒中など脳疾患の後遺症として麻痺がある為、食べ物をうまく飲み込むことが出来ず食べ物が口の中に残ってしまう、というような事があります。飲み込む力が弱くなってくると、食べ物は喉の奥に残ったままになったりむせたりしやすくなります、残ってしまった食べ物が気管に入ると誤嚥性肺炎を引き起こすこともありますので、水は飲まずに唾液だけを飲みこむことで、喉の奥に残った物をきれいに無くしてしまいます。
 健全な側を下に麻痺がある側を上にして横向きでゴクンと嚥下するときれいになります。もう一つの方法として、顎をやや上向きにしてそこから首を前に倒すようにしてゴクンと嚥下をすると食べ物は奥に押し流されてゆきます。
 食べ物を食べている時に、むせはじめたら、この2つの方法で嚥下をさせてください。

 口唇がしっかり閉じない場合は、食べ物をこぼしたり、よだれが出たままになりますので口唇の力をつけるような運動をします。口笛をふくような形をとる、風船をふくまらせるようなことをする。など少しずつ練習しましょう。
 ブクブクうがいをする時でも麻痺している口唇を指でつまんでするとよいでしょう。
 同じ様に舌の運動も(上下、左右、回転、前後、)してみましょう。舌の動きが悪いと、いつまでも飲み込めず口の中に残っている場合があります。

 上手に食べる為には、食器や食具を工夫することも大切です。
  食器の下には滑り止めとして敷いておくと安心です。握力が弱くなっている時は、スプーンなどのグリップ部を太くしたり使いやすいように曲げたりすると便利です。

  何事も、「焦らず焦らせず」「少しずつ」「ゆっくり」と実行して行くことが大切です。そして、介護する人が口の中の異常の有無をチェックすることで快適な生活が送れるようになります。



清浦先生

 

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