3.8.2001

No.0086

我が身をつねって、人の痛さを知る

 こんにちは、みなさん。今回は、私事を踏まえ、教訓めいたことにはなりますが反省も含めて筆を執りました。

 現在、私の年齢は44才です。実は、今から4〜5年前ほどの【厄年】をむかえ始めた頃から、いろいろ体の具合が悪くなってきました。腰痛に始まり便調が芳しくなくなり肩が痛み目も老眼になってきました。あげくには、胆石痛で入院,手術となり、「昔からの言い伝えは、なるほどだな〜」と実感させられました。そして最近、歯医者の不養生と言いますか、なんと歯が傷み始めました。子供の頃から歯だけは丈夫で自慢の一つだったのですが、来るものが来てしまったかと少しショックを覚えています。

 話が逸れちゃいますが、歯医者自身が歯を病んでしまったらどうすると思いますか?。自分で治療するものと思いますか?。少々のことでしたら自分で治療できないわけではありませんが、ほとんどは無理です。ですから、やっぱりみなさんと同じように歯医者さんに診てもらうほかありません。だいたいは、友人の歯科医に頼むものですが、お互いに診療と言う仕事がありますのでみなさんとは違って、診療時間外にお願いすることになります。同業者であり友人であるが故に、ある種の気を遣いあうものなんです。ですから、なるべくその必要がないように、日頃【歯病】には罹らないように注意しているつもりなんですが、ストレスから来る歯周病は、避けるには難しい面があるんです。
 私のは、これなんですね。トホホ・・・

 話を戻しますね、で、痛むままにしておく訳にいかないので、治療は受けることになりました。きっと、落ち着くことと思います。早く落ち着きたいのは本心ですが、今回実はあることに気がつかされました。
 私は今まで健康であるが故に、実体験の無い病気に対しても、歯科大学で教えられたままに、患者さんの診療を行ってきました。特に、痛みの具合のいろいろについては「きっと、こうだろう」「きっと、あーだろう」と言った具合にしか対応できていませんでした。それはそれで、決して間違いではないのですが、今ひとつ納得がいきませんでした。
 『先生、あなたは私の苦しみを、本当に理解してくれているのですか?。』と、患者さんたちの無言の問いかけが、あるような感じがしてならなかったのんです。

 又、ことわざですが、「『我が身をつねって、人の痛さを知れ』そうすることで、はじめて自分以外の人の気持ちを本当に知ることができるのだ。」というのを、この歯病のおかげで私は「まさに、実行できるのかな〜?!。」と、歯は辛いんですが、何か大事なものを得ることができたような気がしました。

 医者たるものは、何でも病気に実際になってみないと、本当の医療ができないなどという偏った考えを、私は言っているのでは決してありません。でも、私たちも人間ですから、実体験に優る勉強は他にないことも確かだなーと思いました。



古賀先生

 

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