歯科医院では、“歯石”の除去は日常茶飯事の医療行為です。歯石除去を目的とされて来院される患者さんのみならず他の不具合を訴えてこられた方々へも必要に応じて行っているものです。この様な“歯石”に対するイメージは、ごく当たり前のことと何気なく思われていることではありますが、あらためて“歯石”のことを考えてみようと思います。 いったい“歯石”は、どんなもので、どうして取り除かなければいけないのでしょうか?。
歯の裏や根本などに文字どうり石のように固く付着している“歯石”は、歯垢のなれの果てのようなものです。歯垢は、口の中にいる細菌(虫歯菌や歯周病菌を含む)の集落です。
歯垢が歯磨きなどによって取り除かれなかったとき、唾液中のカルシウムやリンと結合して石灰化し固くなると“歯石”となります。
歯垢は、2から14日の間に石灰化がはじまります。“歯石”としてひとたび石灰化が始まるとその周りに歯垢(細菌)が群がってそれがまた石灰化して“歯石”は、ますますがっちりと歯の外側をかためていきます。
“歯石”は、歯と歯茎の境目辺りや歯と歯の間にやや乳白色で固まりますが、歯茎の中の根(歯肉溝、歯周ポケットといいます)、つまり外からは見えない歯の根により強固に“歯石”が付いていることが多いのです。これは、歯茎に外傷性の刺激を与え、歯周病原性があります。確実に歯周病を悪化させます。
歯周病の予防や治療のために歯石を取り除いておかなければならない。
“歯石”の除去は、スケーラーと呼ばれる道具で、金属の棒の先端に刃がついているもので1本1本の歯から削り取ります。他には、超音波で除去するばあいもあります。
歯茎の中にまで強固に歯石は、付いてますのでその除去は、たいへんな作業です。その時には、出血したり痛みを伴う場合もあります。ですから麻酔をして歯石を除去することもあります。
“歯石”を除去した後は歯の表面がつるつるになりますので、歯垢や歯石がつきにくくなります。それでも長い間磨き残していると歯石はついてしまいます。歯石は歯垢のなれの果てですから歯垢がなければ歯石は付かないのです。歯磨きはやはり大事なのです。
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