12.14.2000

No.0074

介護が必要となったときの口腔ケアー

 いつまでも、健康で長生きしたい、と思うのは世界中の人が願っていることです。しかし、不幸にして、怪我や病気で自分一人では、食事が出来なくなってしまったらどうしますか?楽しいはずの食事も苦痛となってしまうこともあります。

 今回は、食事の後のケアーについてお話します。

 まず口の中のチェックをしてみましょう

1)歯はどういう具合になっているでしょうか?虫歯はないでしょうか。根だけになってしまった歯はないでしょうか。歯垢の付き具合はどうでしょうか。歯が抜けている所はないでしょうか。咬み合わせ具合もみてください。

2)歯肉はどうでしょうか。腫れて出血してないですか。

3)舌はどうでしょうか。白っぽくなっていませんか。

4)入れ歯の具合はどうでしょうか。

5)その他の粘膜はどうでしょうか。

 口の中の状態をおおまかに捕えておくとよいですね。

 介護が必要となってしまった人の障害の程度にもよりますがブラッシングが基本です。どの機能が弱っているかによって手助けする方法や程度に違いはありますが一般的には、食事が済んだらまず、うがいです。吐き出す水がきれいになるまで、うがいをします。その後、歯ブラシを使ってブラッシングします。歯磨き粉は使わなくてもよいでしょう。自分で出来ないときや不十分なときは補助してあげましょう。歯間ブラシなどを使ってもよいでしょう。

 入れ歯に付いた汚れは、そのままにしておくと口臭や、粘膜が赤く腫れたりカンジダ菌が増えてきたりしますので入れ歯をはずして専用のブラシで清掃し、粘膜はスポンジブラシなどを使って清掃します。入れ歯専用クリーナーを利用してもよいでしょう。

 忘れがちなのが舌の清掃です。 軟らかめのブラシで軽く撫でるようにしてきれいにします。スポンジブラシの利用もよいでしょう。

 洗面所でできればよいのですが、無理な場合はなるべく座った姿勢がよいでしょう。ベットの上であれば、背の部分を45度ぐらいにして枕を利用して顎が上がらないような姿勢にします。寝たきりの場合、顔を横に向けるか体全体を横にして行うとよいでしょう。 麻痺があるときは、健康側を下にします。

 急がず、あせらず、マイペースで行いましょう。口の中や入れ歯をきれいにすることで食欲が増し、体力の増加にもつながりますのでぜひ習慣としたいものです。

 次回は、もう少し詳しく具体的にお話いたしましょう。



清浦先生

 

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