8.26.1999

No.0006

歯科医と患者さんの相性について

一般開業歯科医は、医師の開業医に比べると、外科内科小児科はたまた老人医療と「何でも屋」であるのが、現状です。
もちろん、矯正歯科専門医小児歯科専門医を標榜されておられる先生もいます。
私達歯科医は、歯科大学での臨床研修において過剰に細分化され専門化された歯科学の単位を“広く浅く”修得し、卒業の後は一般開業医での数年の勤務を経て独立開業の道を歩む者が大多数です。
この様なシステムで築かれた歯科医は、以前の私をも含めていわゆる「社会ニーズを知らない歯科医」の養成の結果であり、現在に至るまで大多数のこの様な歯科医が患者のみなさんへの歯科診療をおこなっているのです。
つまり、日本での歯科医療は専門化され細分化された歯科学に対して研鑽を高めていく姿勢の無い多くの開業歯科医が担っているのが現状ではないかと筆者は考えます。

先日深夜のテレビニュースで「歯科医療も企業化の時代」という特集を行っていました。医師の心構えを「診てあげる」から「診させて頂く」へと変わり、単なる医療業務が医療サービス業へと変わりゆくべきであると伝えていました。
さすれば、ある歯科開業医は最新精鋭の医療器機の導入設置をサービス向上と考えるでしょうし、又最新の処置薬剤を用いることがサービスの向上だと考える歯科医もおられるでしょう。
しかし、歯科医が現代社会ニーズに合わせる努力を追求しても未だ歯科医療において問題が残っているように感じます。ではそれは何なのでしょう?

時代が代わり社会様式が変わろうとも、医療は人と人との関係だということなのです。つまり歯科医と患者のコミュニケーションが最も大切なのだということだと筆者は考えるのです。
しかし、人と人との関係には必ず相性というものがつきもので、これがなかなか難しい問題です。
患者さんは「これからかかろうとする歯科医院」を選ぶとき、様々な条件を検討されていることでしょう。しかし、結局この相性が歯科医院選定の最大条件になるのではないでしょうか?
つまり私達歯科医師は、私達自身がこの相性の幅をより広く広げる努力をすべきなのだと筆者は考えるのです。その手助けとして、一般の患者の立場の方々から「歯科なんでも掲示板」へ多くの意見や質問が寄せられることを願っております。 

山本先生

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