6.1.2000

No.0046

8020(ハチマルニイマル)運動をご存知ですか?

 コラムをご覧の方々、こんにちは!

 来る6月4日より歯の衛生週間が今年も始まります。

 この機会に“お口の健康”について、考えてみてはいかがでしょう!。

 『歯の健康を守り、自分の歯でモノを食べられる』ということは、高齢化社会を豊かに過ごすための重要な要素になります。ところが、50歳前後から歯が急速に抜け始め、70歳では平均すると17本の歯を失い、さらに80歳では残ってる歯が平均5本となってしまい、大部分の人が入れ歯を使うようになります。大人の歯は、親知らずを除いて28本あります。歯は自然に抜け落ちることはありません。

 歯を失う原因は【歯周病】や【むし歯】の放置による悪化です。特に【歯周病】は、中高年から歯を失う一番の原因であることは、既にご存知の事と思います。

 こうした状況を憂慮した厚生省は「成人歯科保険対策検討会」を設置しました。そこで1989年に決めた目標が「8020」、つまり『80歳で20本の歯を残そう!』という運動なのです。20本の自分の歯が残っていれば、高齢でもよくかんで食べることができます。普通のメニューでおいしく食べられれば、栄養も十分にとれ、身体の健康を維持することができるのです。

 この目標を達成するためには、大人よりもむしろ小児の段階からの《むし歯予防》が最も重要となります。歯みがきと合わせたフッ素の利用[フッ素塗布・フッ素洗口・フッ素入り歯磨き剤・水道水のフッ素化など]を、WHO(世界保健機構)やFDI(国際歯科連盟)も推奨,推進しており、丈夫な歯をつくるためには、最も効果的な予防策なのです。

 「8020」運動に向けて行政機関や歯科医師会,歯科衛生士会はもちろんのこと、学校保健や産業保健でも【歯の衛生,お口の健康】についての教育を行うなど、協力体制をとっています。歯の健康を守り「8020」を実現するのは、本人の努力と公衆衛生対策の共同作業といえるでしょう。いつまでも自分の歯で食べれるようにお互いに頑張りましょう。


野中先生

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