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4.24.2003

No.0191


「歯の詰め物が真っ黒に、、、」

 コラムをお読みの方のほとんどがお口を鏡でのぞくと金属で治療された後があると思います。いかがですか?。
 近代歯科治療において、虫歯治療には様々な金属が使われています。日本国内での保険治療には、金銀パラジウム合金(注1)やニッケル合金や銀合金そしてアマルガム銀合金(注2)などが使用されます。
 治療用金属のほとんどが“合金”として使われる理由は、金属単体よりも合金にする事により強度やその他の性状が飛躍的に向上するからです。

 そもそも、口の中を【環境】として考えた場合、これほど過酷な条件の場所はありません。湿度100%温度37度そして栄養豊富といった場所ですから、常に種々の細菌が生息している所です。更に、物を食べる度にものすごい力がかかる所です。
 このような悪条件が揃った中に日常、金属がさらされるわけですから、金属の表面に変化が現れても不思議な事ではありません。

 「歯の詰め物が真っ黒に、、、」(金属の表面が黒く)なるのは、唾液や食べ物の中に含まれる硫化物の為です。
 歯科用金属の中には銀が含まれています。この銀が硫化物と反応して、“硫化銀”が生成されます。この“硫化銀”は‘真っ黒な色’をしていますので、肉眼的に詰め物が黒く錆びたように見えるわけです。
 食べ物を食べるたびにこの表面の“硫化銀”は剥がれ落ちているわけです。それを飲み込んでいることになるわけです。人によっては、この為に湿疹が出たり、アレルギー症状を起こす場合もあります。
 このような観点から、口の中に使用する金属としてできるだけイオン化傾向が小さく(殆ど唾液の中に溶け出さない)、化学的の安定した(化合物を作りにくい)金属を選んだほうが良いでしょう。

 現状では、白金加金(白金と高カラットの金)が推奨されてます。金や白金はイオン化傾向が小さく、化学的に安定しています。それに、この白金加金は適度の粘り気と強度があるので、口の中の材料としては物理的性質を持ってます。決して金や白金が高価だからではありません。!
 もちろん、12%パラジウム合金で用が足せないわけではありません。
  しかし、自分の健康に最大の注意をおしまれない方は、より身体に良いものをお勧めします。一考する価値があると思います。

 注1:金を12%含んでいる金と銀とパラジュームとその他の微量金属の合金です。
    日本だけで用いられていて海外では使われていないようです。

 注2:アマルガムは、アマルガムアロイ(アマルガム用銀粉末)と水銀との合金で、完全に化合されているものは
    安定して問題はないとされていますが、治療に際して化合が不完全なものも生じる場合があります。
    その場合、未反応の水銀が体内に取り込まれるおそれがあり、
    水銀は体に毒だとわかっている為現在では使用されていません。



深井先生

 

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