11.25.1999

No.0019

唾液は縁の下の力持ち

 私たちが生きていくために必要な栄養素は、食べ物から摂取しています。食べ物は、ただ口からとればいいのではなく、細かく噛み砕かれ消化酵素と混ぜ合わされて、栄養素が消化吸収されるようにしなければいけません。そのために必要なのが「唾液」です。

「食べ物を消化する消化酵素」
 唾液に含まれるアミラーゼ、マルターぜ、リパーゼなどは,食べ物を消化する働きがあります。たとえば、アミラーゼは、でんぷんを消化し,麦芽糖に変え,血液中の血糖値を速く高めるので,食べ過ぎの防止に役立っています。

「口の粘膜を守るムロチン」
 ムロチンは食べ物を滑らかにしたり,粘り気を出して口の中の粘膜や舌が傷つかないようにしています。

「老化を防ぐパロチン」
 唾液腺ホルモンであるパロチンは,骨や筋肉などを丈夫にして老化を防ぎます。このホルモンは耳下腺から分泌され、血色のいい顔、肌の張りをもたらし、若さを保つのに大切な働きをしています。

「がんも防ぐ唾液」
 さらに、リゾチーム、ラクトフェリンなどは、口の中で細菌が増殖するのを防ぎ、ペルオキシターゼは発がん性物質の毒性を抑えるといわれています。唾液は口の中を清潔にする働きをもっているので、唾液の分泌が少なくなると、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。

 よく噛むことは、唾液の分泌を促し、さらに唾液がさまざまな効果を生み出しているのです。ストレスが原因で唾液の分泌が減ることもあります。食事の時はゆったりと時間をかけて楽しみたいですね。


野中先生

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