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11.28.2002

No.0176

『電子イオン歯ブラシ』のしくみ

 歯垢(デンタルプラーク)とは、口の中の細菌とその細菌が出すネバネバした物の固まりのことです。
 歯垢は別に歯の表面に鎖でがんじがらめにつながれているわけでも、強力な接着剤で貼りついているわけでもありません。何しろ歯ブラシが届きさえすれば、簡単に取れるくらいですから。
 歯垢は、主としてお口の中の細菌が、歯の表面にくっつくことで形成されています。この細菌は陰性(マイナス)の電気を帯び、また、歯の表面のエナメル質もマイナスに帯電しています。
 ところが、唾液中に多く含まれるカルシウム(Ca2+)は陽性(プラス)なので、歯垢と歯はこれに引き寄せられてしまうのです。おまけにこのカルシウムはプラスの手を2本持っているので、片方の手でしっかり歯の表面につかまり、もう一方の手で細菌をつかまえることによって、歯垢が歯に見事にくっついてしまうわけです。

 そこで、【歯垢(−)→唾液のカルシウム(+)←歯のエナメル質(−)】の強固な結びつきをイオンの力で引き離してしまおうと、登場したのが『電子イオン歯ブラシ』です。イオンの力で歯垢が歯に付着するのを阻み、また既にくっついた歯垢については、その結合をゆるめる働きがあるのです。
 『電子イオン歯ブラシ』の柄のところには3V(ボルト)の電池が内臓されており、人が手に持ち毛先を水にぬらしてお口の中に入れると、電池がつながってその体を通して歯の表面にマイナスイオンが流れるしくみになっています。
 それが歯垢の代わりにカルシウムのプラスの手をふさぎ、新たに、『電子イオン歯ブラシ』の毛先(−)⇔カルシウム(+)という濃密な関係が築かれます。
 さっきのおいしい三角関係のバランスはたちまちくずれてしまうわけです。細菌は歯の表面に定着しなければ、ただお口の中を漂流するばかりで、それほど怖い存在ではありません。つまり歯垢にならずにすむのです。
 一方、一旦できたものの居心地が悪くなって立ち上がりかけた歯垢のほうも、歯ブラシの毛先ですばやく取り除くことによって、お口の中が清潔にできるということです。

 天然イオン鉱石を配合した脱臭剤を冷蔵庫に入れておくと、食品の鮮度が維持され、雑菌の繁殖が防げるのも、マイナスイオンの働きです。
 その他、マイナスイオンを発生させる機械で室内のホコリや臭いを消したり、マイナスイオンを配合して汚れを取るワックスや洗剤などはすべて同じ効果によるものです。



野中先生

 

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