writing : wahaha's members / 毎週木曜日更新

画面サイズを最大化にして、お読み下さい。

11.14.2002

No.0174

メタルフリー

 【メタルフリー】とは、金属を使用せずに治療処置を行うことを言います。
 今回のコラムで敢えて取り上げる理由には、現代病ともいえる『金属アレルギー』が昨今増えつつあからです。
 「人間を始めとする生き物は皆、本より微弱な電流を帯びている。」というのを皆さんもご存知の事と思います。
 金属の歯が口の中に入っている場合、特に上下の相対する歯に入っている場合、口の中は唾液で濡れていますからその上下の歯の金属が接触した時に微弱な電流が流れることがあります。この電流は『金属のイオン化』によるものです。当然、唾液の中に金属イオンが流出します。
 その金属イオンが体内に蓄積されていくと、“金属アレルギー”を発症する可能性が高まると言われています。特に上下の歯の金属の種類が違いますと『金属のイオン化』がより多くなります。“金属アレルギー”を発症した人は先ずは皮膚科へ行かれますが、その一部において「原因が歯にある。」と言われ歯科医院へ転院される方がいます。
 私達歯科医師は、そのような患者さんが来院された際には金属の歯の種類を調べ、インフォームドコンセントの後、金属の歯をはずし高分子樹脂(光重合レジンとか硬質レジンなどと言われるもの)や陶剤(ポーセレンとかセラミックスなど言われているもの)といった‘金属でない材質’で治療し直します。

 今回の命題であります【メタルフリー】が注目されてきましたのは、医療で使用される材料は日進月歩進化を遂げ、奥歯でも充分に強度があり、より精度が高いメタルフリーの被せ物が出てきた為です。
 最先端で注目を集めている技術をご紹介します。
 それは、「コンピューターで歯の解析を行い、工作機械ロボットが歯の形を彫刻して、冠や充填物を製作する。」というほとんど人間の手を介さずに差し歯などが作る出されるシステムです。このシステムはCAD/CAMと言われています。
 近い将来には【メタルフリー】が主流になることでしょう。
 【メタルフリー】の長所は
 1)金属アレルギーの人にも使用できる
 2)金属より軽い
 3)より天然歯に近い色になる
 4)光を通すので明るく見える
  【メタルフリー】の短所は
 1)まだ健康保険に適用されていないので、費用が高い
 2)多くの一般の歯科医院では、まだ行われていない

 いろいろありますが昨今審美性が強く求められています。奥歯も白い歯を入れ大きく口をあけて笑いたいと思う人もいるでしょう。また白い歯を入れる事によってより積極的な人生をおくられる事もあるでしょう。いずれにしましても白い歯は皆が求めている事なのです。金属の歯で悩んでいる方は一度相談しに来てください。きっと良い方向性が見つかると思います。



河田先生

 

BACK