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9.12.2002

No.0165

自分でできる歯の応急処置

 地区の歯科医師会の会員をしていますと、必ず受け持つ仕事があります。それは休日の救急診療の当番医です。去る7月の連休の日がちょうど私の休日診療当番でした。
 時期的に来院患者さんは少な目だろうと高を括っていたのですが、実のところトイレ休憩の時間も取れないほど予想以上の数の患者さんが来院されました。
 休日当番を受け持って常に感じさせられることがあります。
 「患者さんにしても休日に歯科医院には行きたくないだろうし、来院なさっても応急処置しかできないので来院する為の時間と費用がもったいないのではないのかな〜?。」
 と思うのです。

 そこで今回のコラムは、できる限り患者さんが休日診療所へ行かなくて良い様に、自分でできる応急処置のお話をしたいと思います。

 『冷たいものが凍みて痛い。』時
   冷たいものに凍みる歯の痛みでしたら多分虫歯の穴があいていると思うので、その穴に綿を詰めるようにして仮に穴をふさいでみて下さい。その後に冷水を口に含んでみて痛みが和らいでいるのを確かめてみて下さい。和らいでいれば、ひとまず大丈夫でしょう。

 『熱いもので痛い』時
   夜中に発作的痛みがでるかもしれません。常備薬の痛み止めなどは効きません。 放置は禁物です。すぐに歯科医に診せましょう。  

 『歯肉が腫れて痛い』時
   歯の穴に詰まっている物をとって、腫れているところをタオルで冷やすようにしてあげ、腫れているところから膿を出せるようならば膿を出すようにしてイソジン等のうがい薬でうがいをよくして消毒をしてください。
   もし、最近もらった抗生剤があるならばそれをのんでおけば少しは楽になると思います。病院で処方された薬を予備薬として残しておくことをお勧めしますがあまり古い薬を飲まないようにしてください。

 『前歯の差し歯や奥歯の被せ物が取れた』時
   もしそのまま入るようでしたらそのまま入れておいてください。少しゆるいようでしたら入れ歯の安定材等を少しかぶせ物の中に入れて安定させるようにして元の位置に戻しておいてください。
   土台がなくなったり土台が根の中で折れていたら接着剤などを使わないでおいて少しの間歯がなくてもがまんしてるほうが良いと思います。
   接着剤を使うと、その後のちゃんとした治療を妨げてしまうことがあります。お気をつけ下さい。

 『入れ歯が壊れた』時
   ほんの少し曲がったくらいなら元の位置に戻すようにし完全に折れてしまったり入れ歯をとめている金具が取れたり折れたりしてしまっていたら、入れ歯は外しておいたほうがよいと思います。

 『転んであごをぶつけた』『歯で唇を切った』など外傷の時
   すぐに歯科医に診せましょう。闇雲に縫ってもらうのは後で傷が目立つ場合があります。その点は歯科医とよく相談しましょう。

 何れの場合も、次の日が平日であれば何はさておいて歯科医院へ行きましょう。応急処置で一段落したからと言ってそのまましばらく放置しておくことは、治るものも治ら無くさせてしまう場合があります。

 普段から小忠実に歯医者に行くようにして緊急事態を避けるように心掛けるようにしたほうが良いと思いますが、休みの間に緊急事態が発生したら上記の方法で自宅で対処して休み明けにかかりつけの歯医者に来院なさったほうがよろしいと思います。普段からの口腔ケアーを大切にしましょう。



荻野先生

 

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