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8.8.2002

No.0160

乳酸菌LS - 1 (ラクトバシルス・サリバリウス)

 今の日本で『乳酸菌』をご存じない方は、滅多にいないことと思います。
 『乳酸菌』と言えば、ヨーグルトですね。スーパーマーケットに行ってみると数多くのヨーグルトが売られています。プレーンヨーグルトからフルーツヨーグルトそして飲むヨーグルト又は腸まで生きて届くヨーグルトなどなどです。
 医科界ではこの『乳酸菌』を上手に使うことを推奨しています。
 『乳酸菌』は胃潰瘍,十二指腸潰瘍,ポリープなど消化器系の病気の原因菌(悪玉菌)である‘ピロリ菌’から守ってくれる益菌(善玉菌)です。ですから、大いに活用すべきですとのことです。

 さて「歯科界では?」と言うと・・・、
 今までは、ヨーグルト(特に飲むヨーグルト)は、虫歯を作る素になりやすいと云われていました。ですから、3歳児健診などの折に保健婦さんや衛生士さんの指導は「おやつ代わりのヨーグルトを与えた後は必ず歯磨きしてください。」とか「ヨーグルト(特に飲むヨーグルト)を減らし他の飲み物(お茶類)を多くしましょう。」などでした。
 ところが最近になって新しい『乳酸菌』の登場を見ることになりました。

 そこで、今回の【歯科なんでもコラム】は歯科界における新しい『乳酸菌』の可能性について述べてみたいと思います。

 この新しい『乳酸菌』は乳酸菌LS - 1(ラクトバシルス・サリバリウス)と呼ばれるものです。
 ラクトは「乳酸」,バシルスは「桿菌(棒状の形をした細菌)」,サリバリウスは「唾液」と言う意味です。
 その名の通り乳酸菌LS - 1は健康な人の口腔内の唾液中に含まれている乳酸桿菌の一種です。

 この乳酸菌LS - 1はお口の中で、どのような良い働きをするのでしょう?。
 その答えです  
 (1) :歯周病菌の増殖のスピードより早く増殖することにより、
     歯周病菌の数を減らすことができる。
 (2) :虫歯菌に対しては、虫歯菌が作り出すむし歯の元である
     不溶性グルカンを抑制することによりむし歯の発生を抑制する。  
 (3) :口臭の原因である歯周病菌の数が減ることにより、口臭の減少がみられる。

 以上のことからもわかるようにこの乳酸菌LS - 1には優れた働きがあります。
 しかし、現段階では発展段階である故に、未だ万能ではありません。
 今後、より効果的な進化を遂げていくことを期待されています。

 さて日常の歯科界での話になりますが・・・。
 フッ素やキシリトールといった予防効果をもったものが広まってきました。
 しかし、それらが多く世の中に出まわっているにもかかわらず、未だに‘むし歯や歯周病’で歯医者を訪れる方は後を絶ちません。
 なぜでしょう?。
 私は思います。
 まだまだ、日ごろのプラークコントロールをしっかりなさっていないからではないでしょうか。

 歯医者いらずの薬ができるまでは、プラークコントロールをしっかりやりましょう。
 ね!皆さん!



春日井先生

 

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