皆さんは、なんとなく舌先がぴりぴりしたり、舌がやけどをしたようにヒリヒリして痛くなった経験がありますか?。これらは【舌痛症】(ぜっつうしょう)と呼ばれており、舌の表面には外見上、異常がないのが特徴です。更年期を迎える四十、五十代の女性に多いことから、ホルモンのアンバランスや自律神経の変調なども関係があるともいわれています。
しかし、近年では年齢や性別にかかわらず【舌痛症】の症状を訴える患者は増加傾向にあり、この増加傾向には社会的背景も無関係ではないと考えられています。『舌の痛み』を訴えて歯科医院を訪れる患者さんも少なくありません。
【舌痛症】の本態は現在のところ不明なのですが、【舌痛症】の発症要因は大きく分けると“広義の【舌痛症】”と“特発性【舌痛症】”とに二分されています。
1)広義の【舌痛症】
さまざまな原因が【舌痛症】若しくは類似症状を発症することがあります。
『舌の痛み』を起こすと云われている原因には次のようなものがあります。
@ ビタミンB欠乏症
A貧血(特に鉄欠乏性貧血)
B糖尿病
C微量元素(亜鉛等)の欠乏
D感染症(カンジダ症等)
E高血圧、低血圧、動脈硬化
F薬剤の副作用
G口腔乾燥
2)特発性舌痛症
発症原因は、はっきりとした解明は未だされていませんが、概ね心理的(精神的)要因
が関与していると考えられています。
@うつ病
A心気症
B妄想性障害:重大な病気(舌の癌など)にかかってると妄想が常に持続してる。
C心因性疼痛(狭義):6カ月以上続く。他の精神科疾患に当てはまらない。
心理的な原因で起こる場合は、神経質で几帳面な性格の人に発症しやすい傾向がみられます。食事をする時には、痛みがなくなったり、和らいだりする場合が多く、舌のことを、あまり気にし過ぎると、痛みがよりひどくなるようです。
【舌痛症】の他に『舌の痛み』が出る病気は、細菌やウイルスの感染による口内炎や、口の中に潰瘍のできる病気、また細菌やカビによる炎症、舌がんなどもあります。
又、入れ歯や歯列矯正具が口に合わなかったり、虫歯や歯のとがった部分で傷ついて痛みを感じたり、歯の治療に用いる金属のアレルギーが原因になっていることもあります。
『舌の痛み』(心因性の場合を除いて)は、時として食事をすることを苦痛にし、栄養障害を起こすきっかけにもなります。もし長引く様であれば、かかりつけの歯科医院または耳鼻咽喉科へ相談に行かれることをお勧めします。
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