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7.18.2002

No.0157

【バイオプログレッシブ】と言う考え方

 『矯正歯科治療は‘いつから’始めるべきか?』
 『矯正歯科治療はいつから始めることが、‘可能’なのか?』
 我が子に矯正歯科治療をさせたい。だけれど、不安や疑問で矯正歯科治療そのものの相談の機会がわからない。「もしかして、治療の機会を逃してしまったのでは・・・。」などと、思いあぐねている方もきっと少なくないことでしょう。

 日常一般の歯科診療で来られる患者さんと接する中で、しばしば思わされることがあります。
 病気の苦痛をギリギリまで我慢し、いよいよどうにも成らないと観念したかの様に、『もう我慢の限界になってイヤイヤ歯科医院へ来たんだ。』なんてことの患者さんが、けっこう多いものなのです。そんな時、必ずと言うほど私達が思わされることは、『もう少し早く来ていればこんなことにはならなかったのに。』『“患者さんにとって、もっと簡単でもっと楽な治療”をすることができたのに・・・。』ということです。

 同じ様な気持ちを抱かされることが、実は矯正歯科治療にも同じようにあります。
 永久歯が生える前つまり乳歯だけの時期に矯正治療を開始することは希なことですが、「完全に永久歯に生え変わるまで、矯正歯科治療は開始できない。」と言うことも正しくはありません。
 そこで【バイオプログレッシブ】と言う考え方が出てくるのです。
 これは、矯正治療は永久歯に完全に生え変わっていなくても、子供の成長に合わせて矯正治療をしていく方法で、永久歯と乳歯の混在する時期、混合歯列期に矯正治療を開始することがでます。
 早い時期から手を打っておくことで永久歯列になってからの矯正治療の下準備をしておくことができるのです。混合歯列期にしか使えない治療装置を使うことで発育が旺盛な時期に発育をより促したり、また抑制したりする矯正治療、子供の発育にあわせて装置を選択して矯正を開始していく、これが【バイオプログレッシブ】と言う方法なのです。
 『矯正歯科治療は、永久歯が全部生えてから行うもの。』と誤解されることが多いのですが、混合歯列期から治療を開始することが良い結果を生み出してくれます。
 また、矯正歯科治療は装置を入れたり、金具をつけてワイヤーを付けることだけでなく、計画的な乳歯の抜歯や悪い癖を治すことも含まれます。従って、矯正治療を迷っていたり、悩んでいる方は、先ずは早めの矯正相談を受けて見ることが大切なのです。

 確かに、虫歯の治療のように矯正治療に手遅れと言うことは、あまりありません。しかし、“早め(乳歯永久歯混合期)に矯正歯科治療の開始をすることで、後の(永久歯列期)矯正歯科治療をより優位に行える可能性が広がる”と言うことを、私達MSKCOIの歯科医師は子供の歯並びが気になっている親御さん方皆さんに知っておいて頂きたいのです。



香西先生

 

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