writing : wahaha's members / 毎週木曜日更新

画面サイズを最大化にして、お読み下さい。

7.11.2002

No.0156

皮肉な現象 〜【口臭】について〜

 アメリカでは「あなたの口は、くさい」という言葉は、相手を侮辱する時によく使われる言葉だそうです。欧米人は“挨拶代わりにキスをする”という習慣からでしょうか、特に【口臭】には敏感なのかもしれません。
 もちろん欧米人に限らず、日本でも【口臭】は周囲の人を不愉快にさせ、人間関係を悪くさせるものです。【口臭】は、単に忌み嫌われるだけでなく、本人のマイナスポイントですよね。 
 しかし、この【口臭】というものは厄介な事に、「本人は自分の【口臭】に気付いていないことが大半である。」ということが問題なのです。 「臭い」を感知する臭細胞は大変疲労しやすいので、感覚が麻痺してしまって、肝腎な本人が自分の【口臭】を識別する事を全く出来ないのです。
 他人が「あなたには【口臭】がありますよ。」なんてなかなか言えるものでもありません。【口臭】がある場合には身近な人が、それとなく注意してあげるのが良いでしょう。
 反面,【口臭】がないのに自分は【口臭】があると思いこんでしまう、『【口臭】ノイローゼ』の人もいます。中年の女性や過度に潔癖症の強い若い人に多く見られます。
 このような人の口の中は、見事なくらいきれいな場合がほとんどです。
 【口臭】がある人がそれに気ずかないで、【口臭】のない人が神経質になるというのはなんとも皮肉な現象です。  

 【口臭】の発生源は、お口の中の種々の微生物によるタンパク質の分解される時に発生するものが主体です。ですから,口腔清掃状態が悪かったりすると短時間の間に臭気を発するようになります。虫歯があるとその穴に食物がいつも停滞する状態になり、大きな【口臭】の発生源になります。
 この様に【口臭】の発生原因の多くは、お口の中の不潔さから由来していると考えられますから、いつもお口の中を清潔に保つ事と、丁寧なブラッシングがもっとも有効な予防法です。同時にそれが虫歯や歯槽膿漏の予防にも繋がるわけですから一石二鳥です。  

 最後に【口臭】についての逸話の一つをご紹介して、今回のコラムのまとめとしますね。
 ハリウッド映画‘風と共に去りぬ’の主演女優“ビビアン・リー”は、とても神経質な女性だったそうで、相手役の“クラーク・ゲーブル”を嫌っていたそうです。それは“クラーク・ゲーブル”が強い口臭の持ち主でキスシーンを演じるたびに不愉快な思いをした為といわれています。この逸話を思い浮かべながら‘風と共に去りぬ’を観ると、また違った観賞の仕方ができるかもしれませんね。



深井先生

 

BACK