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5.30.2002

No.0150

ドライマウス

 ドライマウスとは、さまざまな原因によって口の中が乾燥した状態を言います。

 口の中は唾液によって湿潤性が保たれています。が、なんらかの原因で唾液の減少が起きますと、口の中の潤いがなくなり、乾燥状態になります。長い間乾燥状態が続きますと口腔乾燥症(ドライマウス)という病態になりさまざまな症状や機能の障害が起こることになります。
 唾液は1日にどのくらいの量が排出されているかと言いますと1.5リットル位、唾液腺というところから排出されています。具体的な場所は頬の内側で上の奥歯の横あたりに左右1個ずつと、舌の下の根元辺りにある小さな穴から唾液量の殆どを占めます。

 口腔乾燥症の原因を具体的に申し上げますと、高齢による唾液分泌低下・放射線治療による唾液腺萎縮・シェ‐グレン症候群・唾石・薬剤服用(抗ヒスタミン剤、降圧剤、向精神剤、利尿剤、睡眠薬、ets)・自律神経失調症・心因性の神経症と鬱病等があります。
 ドライマウス(口腔乾燥症)によって口の中でおこりえる症状は―入れ歯が擦れてキズができ易い・口内炎ができ易い・歯周病がなかなか良くならない・パンなど乾燥した食べ物をなかなか飲み込めない・歯に着色物が付きやすい等が考えられます。

 介護を必要とする高齢者の場合、ドライマウスが著名な事が多く上あご、舌背に汚物・痰などの分泌物がこびり付いたままになっていたり、歯の間や歯と頬の間に食物のカスが溜まったままになっている事が多い。

 ではドライマウス(口腔乾燥症)の治療及び対策は―全身疾患(糖尿病、自律神経失調症、)の治療・口腔清掃や口腔の湿潤に心がける事・人工唾液、水等で口の中を潤わせる・口唇や口角部を潤わせるためにリップクリーム塗布やグリセリン塗布・生活指導(唾液分泌は自律神経によって支配されていますのでストレス等で自律神経系に影響をおよぼしますと唾液の分泌が減少してしまいドライマウスを起こしますので、高齢者の場合、日常からストレスがかからないように気持ちにゆとりを持つことが大切です。
 食後は特に口腔ケアをし、入れ歯が入っていれば必ずはずして清掃してください)。

 ドライマウスは充分な理解と対策を講じれば対応できるものです。特に高齢者を介護されている方は充分に口腔内を観察しQOLを高めていきましょう。



河田先生

 

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