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12.27.2001

No.0128

【心身症】と歯科

 新世紀“21世紀”最初の年の『歯科なんでもコラム』も年末号となりました。社会情勢はまだまだ不安定な状態が続いてます。テレビや新聞などでは、いろいろ不安なことばかりが伝えられてます。でも皆さん!体が資本です。元気を失わないことが一番です。

 そこで、今回の『歯科なんでもコラム』は「元気を蝕む【心身症】」について、ちょっとお話します。もちろん歯科に関連もします。

 さて、最近よくいわれる【心身症】とはどのような病気なんでしょう?。

 【心身症】とは、身体の症状を主としていますが、その診断や治療に、心理的な因子についての配慮がとくに重要な意味をもつ病気のことです。
 また身体的な原因で起こった病気でも、その経過に心理的な因子が関係している場合や、一般に神経症とされている病気でも身体の症状を主とする場合は、広い意味で【心身症】として取り扱っています。
 たとえば、胃潰瘍や自律神経失調症などがよく知られています。

 【心身症】は、ストレスと密接な関係があります。口腔(こうくう:お口の中の全ての事)は情緒の影響にとくに敏感で、ストレスへの反応も過敏です。歯科領域の心身症としては、口臭症(自臭症)、舌痛症、顎関節症、開口障害、口腔乾燥症、口腔内異常感症、顔面不定疼痛症、歯科治療恐怖症、味覚異常症(異味症)、義歯不適応症、義歯ノイローゼなどという病気があります。
 先ほどあげた例以外にも、口臭を指摘されたのち、電車の中で近くにいる人が手を口元へもっていくのをみて自分に口臭があると思い込み、歯科のほか内科や耳鼻咽喉科を受診してもなんの異常もなかったという例や、家族問題で悩んでいた主婦が歯の治療をきっかけに、甲状腺障害として現れていた心身症が顎関節症に転移した例などがあります。

 現代社会に生きる私たちの日常生活は、常に適応することが求められており、すべての人が多かれ少なかれ常にストレスのもとにおかれています。しかし同じ環境にあっても、ある人は心身症になるのにある人は健康でいられるのは、その環境に十分適応できずにそれを有害なものとして受けとめた人だけが、意識するしないは別として自律神経系や内分泌系の異常反応を起こして症状が現れるということなのです。つまりストレスの原因としては、その人を取り巻く刺激の種類、程度、期間などもおおいに関係しますが、それよりも刺激に対するその人の受けとめ方(性格)がより強く関係するというわけです。
 【心身症】は、子供からお年寄りまで、高度文明社会の中でますます増えつつある病気です。
 昔から『病(やまい)は、気から』と言われますが、これからはお口や身体の健康はもちろん心の健康にも気を配りたいものですね。

 皆様にとって来年は良い年でありますように、お祈り申し上げます。

 又、来年も『歯科なんでもコラム』をよろしくお願いします。



野中先生

 

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