今回の「はじめて物語」は、【虫歯〔病気〕】と【虫歯菌〔病気の素〕】との関係についてのお話しです。
「いったい、人はいつから【虫歯】になる条件を持ってしまうのでしょうか?。」
皆さんはご自分がいつぐらいに、またご自分のお子さんがいつ【虫歯】になったのか覚えていますか?。
‘歯を磨かなかったから’‘甘いものばかり食べていたから’【虫歯】になったとお思いですか?。
【虫歯】というのはお口の中で常在菌(お口の中にいるいろいろな菌の中で絶対数が多くなってしまった菌)となった【虫歯菌】(ミュータンス連鎖球菌)が居て、はじめて【虫歯】になるのです。
では、ここで問題です。
「人はその【虫歯菌】に初めて感染するのはいつでしょう?。」
さて以下の何番でしょうか?。
@生まれる前から口の中に常在菌としている。
A生まれる時に産道で感染して常在菌となる。
B歯が生えてすぐに感染して常在菌となる。
C歯が生えてしばらくしてから感染して常在菌となる。
D甘いものを食べた時から常在菌となる。
正解は C番です。
赤ちゃんは生まれ出てくる(普通分娩)際、産道(膣)で色々な菌(膣常在菌)に感染します。仮にその参道で 【虫歯菌】に感染したとしても、まだ歯が生えていない(希ですが、誕生時に乳歯が既に生え始めている場合があります)ので常在菌にはなりません。この菌は歯に付着した食べかすや糖質を餌として増えます。通常、乳歯が生えてくるのは生後5ヶ月ぐらいからで、その時に感染してもまだ他の菌の数が多い為に常在菌にはならないそうです。
では、いつから常在菌となってしまうのでしょう?。
誕生後1才半〜2才半に感染すると常在菌となってしまうそうです。逆にいえばこの時期に感染をさせなければ、【虫歯菌】が常在菌となることが少ないそうです。
では、どうやって感染するのでしょうか?。
多くの場合、ミュータンス菌をもっている大人(親)からの直接感染です。食べ物をかみ砕いてあげたり、同じスプーンで食べたりといったことから感染するのです。しかし、これは親子のスキンシップとして大切な事であり、敢えて感染を防止することは非常に難しいと言えるでしょう。
必ずしも常在菌があるから必ず【虫歯】になってしまうという訳ではありません。今ではフッ素やキシリトールといった予防薬などの処置を受けていればそれなりの防御が可能となってきました。
但し、ここで誤解をしてはいけません。一度フッ素を歯に塗布したからといって、絶対【虫歯】に罹らないわけではありません。やはり、毎日の歯磨きがしっかり出来ていないと【虫歯】になってしまうことは避けられません。
赤ちゃんの時から歯みがきの習慣をつけることが、虫歯予防の大切な第一歩なのだと思います。
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