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11.8.2001

No.0121

【老後】に備えて

 昨今、日本は世界一の長寿国となりました。日本人男性の平均寿命は76歳、日本人女性は83歳で、男女共に世界一です。現代はまさに人生80年時代、平均寿命が飛躍的に伸びて、いわゆる【老後】の期間が延長されました。
 高齢になっても、美味しい物を美味しく頂きたいものです。その為には、入れ歯ではなく自分自身の歯で食べたいものです。

 歯や歯肉の病気は、以前では『年を取れば必ず悪くなる老化現象』と、とらえられがちでした。確かに、高齢になると歯の数は少なくなり、残っている歯の条件も悪くなる傾向にあります。しかし実は、虫歯も歯周病も細菌による感染症で、自然に歯が悪くなることはなく、歯ブラシで常に清潔にし、正しい咬みあわせを維持できれば歯を失う事を防ぐ事は不可能ではないのです。もちろん、病気の発症や進行程度には個人差があります。歯ブラシの習慣だけでなく、ストレス、歯ぎしり、喫煙や全身疾患の有無、食生活の不規則などの環境要因の影響も受けますが、手入れ次第では、一生、自分の歯で食事をすることは可能なのです。

 ‘歯磨き’が大切なことは皆さんが、すでにご存じの事だと思います。では、歯を磨いてさえいれば、歯が長持ちするのでしょうか。そこがなかなかうまくいかないところです。 我々歯科医院の役割は、治療(cure)だけではありません。疾患予防や衛生指導(care)、も担っています。
 高齢になると自己管理(セルフケア)にも限りがでてきます。高齢者のお口の健康管理を補うのも我々“かかりつけ歯科医”の責任と考えています。

 ある調査によれば、歯を多く保っている人は健康度も高いということがわかっています。高齢者の心身の健康を確保するためには、歯や口腔の健康を保つことはとても大切です。日本が世界一の長寿国になったのは、なんといっても平和で豊かな国を実現した証拠なのですが、歯の寿命も日本人が世界一となることが、私たち“かかりつけ歯科医”の目標でもあります。

 お若い方々も【老後】に備えて、歯を大切にしておきましょう!



澤田先生

 

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