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10.4.2001

No.0116

ID個人識別の為に歯科医院へ行きましょう!

 9月11日のアメリカの同時多発テロ事件から早1ヶ月が経ちました。この事件は世界を本当に震撼させました。その事件の犠牲となり今だに行方不明の方々が、数千人います。何の罪もない一般市民が、想像を超える非道な事件に突然巻き込まれ、殺されてしまう世の中は、本当に恐ろしくてなりません。
 そして、この様な事件は、命を奪われるだけではなく、犠牲者の身元の判明を困難にさせてしまうのです。これほど悲惨なことはありません。残された遺族の方々には、筆舌に尽くしがたい思いのことでしょう。途方に暮れ、深い悲しみはいつまでも癒えないことでしょう。
 今から16年前の1985年8月12日の日航ジャンボジェット機御巣鷹山墜落事故の際、犠牲になられた方々の遺体の身元判別も、大変時間のかかったことを皆さんは憶えていますか。その時、犠牲になられた520名の43%の方々は、「歯による所見」で身元の確認ができたそうです。(*参考)多くは語られていませんが、多くの歯科医師がボランティヤで参加されたそうです。

 『歯による身元判別』は、DNA鑑定に次ぐ重要な方法と言われています。その理由として以下のようなことが言われています。

 日本では、老若男女を問わず多くの方が、歯科治療を受けられている機会が多いことです。それは、世界に誇っていた国民皆保険制度の賜と言っても過言ではないと思います。加えて、歯科治療の際の患者さんの歯型やx線写真並びに口腔内診断更に処置内容の記録など、いわゆる診療録はそのまま患者さん個人のID個人識別となりうるからです。
 例えば、永久歯は基本的に上下左右全部で28ないし32本あります。それらが抜けている数や位置や形態や治療の内容などによる個人の違いは天文学的数値となり、指紋をも越える個人識別の手段となるのです。
 更に、平成8年より「口腔内カラー写真」の検査事項が健康医療保険に導入され、歯型やx線写真だけではなく実際の口腔内のポジ写真が個人資料に加えられました。
 更に更に、平成12年からは「かかりつけ歯科医初診再診」という患者さん自身の口腔内の情報を、患者さん自身が[情報提供書]という文書で得ることができるようになりました。これは紛れもないID個人識別の確固たる物だと私は思います。これこそが「自分が自分たる証」の何物でもないのです。

  「【歯科医院にかかる】ということは、単に『虫歯の治療』や『歯ぐきの治療』だけではないのです。」と考えるのは私だけでしょうか?。
 自分自身の【ID個人識別】を得るために、歯科医院に一度かかるのも良いかもしれませんよ。

  最後に、今回の犠牲になられた方々へ心より哀悼の意を称します。

*参考資料
    (http://www.miyashi.or.jp/keisatu/)宮城県歯科医師会警察歯科医会
    (http://st.jpn.org/~maecato/katsudo/nikko_S.htm)前橋カトリック教会群馬県警察医会理事 歯学博士 大国 勉 著



荻野先生

 

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