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9.13.2001

No.0113

そもそも‘虫歯’とは?
『歯の脱灰
再石灰化?』

 読者のみなさ〜ん!こんにちは。
 最近ではTVやマスコミなどで専門用語が、かなり出てくるようになりましたね。
 例えば「歯を脱灰する・・・」とか「歯の再石灰化を促す・・・」とか「歯周病予防には・・・」とか「・・・歯磨きでハイドロキシアパタイトを・・・」等々。

 そこで今回のコラムでは‘虫歯’(専門用語では「う蝕」と言います)について、あらためて理解を深めて頂きたいと思います。

 ‘虫歯’って、どうしてなってしまうのでしょうか?。
 ‘虫歯’にならずに済む為には、どうしたらいいのでしょうか?。
 真剣に考えた事ありますか?。いかがでしょう?。

  新常用歯科辞典より抜粋しますと

 齲蝕(うしょく)dental caries dental decay【病】とは、口腔内細菌の関与の下に歯質(エナメル質、象牙質、セメント質)の無機塩の脱灰と有機質の溶解を伴う、歯質の崩壊を主な変化とする疾患である。その進行過程の変化像はそれぞれの組織構造と関連して様相を異にしている。しかし、その進行過程において、ただ一方的に歯質の崩壊が繰り返されるのではなく、一時的にせよ、少なくとも一度脱灰された基質に再石灰化(remineralization)という現象が存在する事実が認められている。
とあります。

 近年では、『‘虫歯’(う蝕)は、細菌による感染症である』という考えが広く認識されています。しかし、他の感染症とは異なり、『食生活などの様々な環境によって、その発症および進行が左右される生活習慣病』としての側面を同時に持ち合わせている複雑な疾患なのです。

 それでは、歯の表面では一体何が起きているのでしょうか?。

 歯のエナメル質・セメント質は唾液の成分によって保護されていますが、砂糖(ショ糖)の入った食物などの摂取で口腔内の環境が変わると、少しずつ脱灰が進んでいきます。つまり脱灰(Demineralization)とは、口腔内の細菌が糖分を摂取して酸を産生するため、歯をとりまく唾液やプラーク中のPHは下がり酸性となり、エナメル質中の“カルシウムイオン”や“リン酸イオン”が歯の表面から溶け出していきます。
 これを脱灰といいます。

 脱灰‘虫歯’の始まりなのです。それでは脱灰してしまったらもう治らないのでしょうか?答えはノーです。

 口腔内の環境が唾液の働きなどにより再び環境が改善されると歯の再石灰化が促進されます。つまり再石灰化(Remineralization)とは、酸を中和する働きのある“重炭酸イオン”などによって、中性環境になると、溶けてしまった“カルシウムイオン”や“リン酸イオン”が再び取り込まれ結晶化します。
 これを再石灰化といいます。

 歯の表面では日常的に脱灰再石灰化が起こっています。
 つまり、このバランスをとる事が‘虫歯’の予防になるのです。私たちが口にする殆どのものは細菌の栄養源となる糖が含まれています。そして口腔内細菌はそれらを栄養源として酸を酸生するので口腔内は酸性の環境になり、脱灰が起こっていくわけです。1日のうちで飲食の回数が多ければ多いいほど脱灰が続くのでう蝕になる可能性が高くなります。

 規則正しい食生活が口腔内の環境を良い状態に保つコツです。
 『食欲の秋』ダラダラ食べはいけません。
 ケーキ・お菓子は、時間を決めて食べましょう。

 歯も元に戻ろうと頑張っているのですから、理解してあげて大切にしてください。



河田先生

 

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