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7.26.2001

No.0106

糖尿病と歯の病気

 最近益々増える傾向の【生活習慣病】の一つに、皆さんもよくご存知の【糖尿病】があります。
 今回は、この【糖尿病】が歯の病気とどう関係があるかを、少しお話ししてみたいと思います。

 【糖尿病】とは、一口に言うと「血液中の‘グルコース’の量が、持続的に正常値よりも高い状態である」生体の異常な状態の継続の病気です。
 この‘グルコース’は、私たちの生命維持の重要な役割である中枢神経において、最も多く消費されます。その為、極めて小さい範囲内に血糖値の変動は抑えられるように常にコントロールされていなければなりません。
 生命の“恒常性”の保持の為に、大変重要な『生体の仕組み』の一つなのです。

 【糖尿病】は、「その病気そのものよりも“動脈硬化・腎臓障害・網膜症”などといった【合併症】が怖い」といった事実は良く知られているところですね。

 実は《歯科の領域》においても、この【糖尿病】は‘特異的な症状’を表します。
 この病気になると、唾液の分泌量が減るために、「とても、のどが渇く」という現象が目立ってきます。(この普通以上にのどが渇くという症状から糖尿病が発見される事が良くあります。)
 その結果、口の中が大変不潔になりやすく、若年者においては、虫歯の発生が多くなるという傾向があります。成人においては、むしろ、歯槽膿漏などの歯周疾患にかかりやすく、結果、総義歯になる比率が高いという現象が見られます。
 ですから、不幸にしてこの病気になってしまったら、原因を断つためにも、普通以上に口の中の清潔を保つように注意する事が必要です。

 更に、この病気で最も注意しなければいけないのは、「全身の抵抗力が著しく低下する」点にあります、ちょっとした傷でもなかなかなおりにくいという症状がよくおこります。
 不幸にして、抜歯をしなくてはならない時には、事前に、この病気である事を歯科医に報告していただいたほうが懸命です。

  しかし、不必要にこの病気を恐れる必要はありません。食事療法や薬剤でこの病気も進行を抑える事が可能です。
 が、しかし、自分自身との戦いであるといわれています。根気強さを要します。

 ブラッシングには、特に時間をかけて、手遅れにならないようにしたいものです。



深井先生

 

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