20世紀終盤に、人の遺伝子の解読が全て終えられたことは、皆さんもマスコミなどで既にご承知のことと思います。今世紀には、かなりの数の病気の関わりのある異常な遺伝子情報が解読できるだろうとも言われています。この人の遺伝子情報の解読は、病気の原因を見つけ出せるだけではなく、遺伝情報から組織や器官の再生を可能にすると言われています。その様な科学研究を再生医学とも言われます。
再生医学とは、失われた体の組織や悪くなった臓器や組織を、新しい臓器や組織で置き換えることです。少し夢のような話ですが、動物実験ではその一部がすでに成功しています。
人の体を構成する各種の臓器や組織の細胞も元は「幹細胞」と呼ばれる細胞からできています。ですから、その人の「幹細胞」をその人が健康なときに取り出して試験管内でいろいろな臓器に作り上げておけば、もしも、どこかの臓器が病気で悪くなっても試験管の中で作った臓器に置き換えれば良いというわけです。
歯科の分野では、例えば、その人の歯を試験管内で作っておいて、歯を抜かなくてはならないときに、抜いた歯の代わりにその試験管内で作った歯を植えてあげるということが考えられます。試験管の中で歯を作る試みは、もうすでに始まっていて、かなりのところまで進んでいます。あと十数年したら、試験管で作った自分の歯を入れ歯の換わりに使う時代になるかもしけませんね。本当に夢のような話ですが、21世紀では一般的治療法となっているかもしれませんね。
因みに、先日の新聞の記事で、「肝細胞」からの臓器や組織の再生には、遺伝子の生成スイッチが重要で、受精卵における仕組みと、既に既製(誕生後の人の体特に大人)された体の細胞を活用する場合の仕組みは、似てはいてもまだまだ油断できないとの内容でした。しかし、慎重な研究の積み重ねで夢はきっと叶うことでしょう。
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